ユルトミリス®について
ユルトミリス®は、初めて開発された唯一の
長時間作用型抗補体(C5)抗体で、
成人の患者さんに8週間ごとに投与されます。
ユルトミリス®を継続的に投与することで、
体の免疫系の一部である終末補体カスケード
のC5タンパク質が阻害されます。ユルトミリスは、
成人の発作性ヘモグロビン尿症(PNH)の
患者さんの治療、成人および生後1ヵ月以上
小児の非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)
の患者さんの治療に適応されます。
ユルトミリス®は、日本と米国でPNH患者さんの治療のために
希少疾病用医薬品(ODD)を取得しています。
ユルトミリス®は、PNHの成人患者さんの治療薬として日本および
米国で承認されています。欧州連合(EU)では、高疾患活動性
の溶血を示す臨床症状を伴う成人のPNH患者さん、および
ソリリス®(エクリズマブ)で少なくとも6ヵ月間の治療を終えた後、
臨床的に安定した成人患者さんへの治療薬として承認されています。
また、米国では非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)の成人および
生後1ヵ月以上の小児の患者さんの補体介在性血栓性微小血管症
(TMA)を阻害する治療薬としても承認されています。
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)
ユルトミリス®とaHUS
ユルトミリス®は、最初で唯一の長時間作用型抗補体(C5)抗体で、
補体介在性血栓性微小血管症(TMA)を阻害する非典型溶血性
尿毒症症候群(aHUS)の適応症治療薬として米国、欧州連合(EU)、
日本で承認されました。
ユルトミリス®の第III相試験では、成人のaHUS患者さんには
8週間ごと、生後1ヵ月以上の小児のaHUS患者さんには
4〜8週間ごとに静脈内に薬が投与され、TMAの阻害を確認する
主要評価項目を満たしました。
補体介在性TMAを阻害するaHUSの治療におけるユルトミリス®の安全性と
有効性は、これまでに補体阻害剤治療を受けたことがない56名の成人の
患者さん(18歳以上)への静脈内注入によってユルトミリス®の評価を行った、
第III相国際共同単群多施設試験によって実証されています。この試験は、
最長7日間のスクリーニング期間、26週間の初期評価期間、そして、
最長4年半の延長期間で構成され、現在も継続中です。加えて、補体阻害剤
治療を受けたことがないaHUSと診断された18歳以下の青少年を対象とした
第III相単群多施設試験においても、ユルトミリス®の安全性と
有効性について26週間の評価が現在行われています。
この研究で報告された最も一般的な副作用は、上気道感染症、下痢、吐き気、
嘔吐、頭痛、高血圧および発熱でした。
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)
ユルトミリス®とPNH
ユルトミリス®は、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を患っている成人
患者さんに対する治療のオプションです。ユルトミリス®は、最初で唯一の
長時間作用型抗補体(C5)抗体で、8週間にわたって急速かつ完全に
C5タンパク質を阻害します。
第III相臨床試験において、補体阻害剤による治療経験のない
PNH患者さん2とソリリス®治療で容体が安定している患者さん3に対して
8週間ごとにユルトミリス®を投与した結果、主要評価項目および主な
福次評価項目のすべてにおいて、2週間ごとにソリリス®を静脈内注入した
場合と比較して非劣性が示されました。
ユルトミリス®による治療の詳細について
ユルトミリス®・ウェブサイトはこちら参考資料:
- ユルトミリス®添付文書
- Lee JW, Sicre de Fontbrune F, Wong Lee Lee L, et al. Ravulizumab (ALXN1210) vs eculizumab in adult patients with PNH naive to complement inhibitors: the 301 study. Blood. 2019;133(6):530-539.
- Kulasekararaj AG, Hill A, Rottinghaus ST, et al. Ravulizumab (ALXN1210) vs eculizumab in C5-inhibitor-experienced adult patients with PNH: the 302 study. Blood. 2019;133(6):540-549.