HPPは、アルカリホスファターゼ(ALP)活性が低下することで発症し、 骨石炭化が行われないため、骨破壊、骨格の変形やその他の骨格異常、 ならびに筋力低下や、乳児の早期死亡を引き起こしかねない呼吸不全などの 全身性の合併症につながる可能性が報告されています1,2,3。
HPPは、組織非特異型アルカリホスファターゼ(TNSALP)と呼ばれる酵素を作る 遺伝子の変異により発症し、ALP活性の低下を引き起こします1,4,5。
ALPが正常に機能している場合、2つの主要ミネラルーカルシウムとリン酸-が 結合し、骨石炭化された健康な骨を形成します。しかし、HPP患者さんでは ALP活性の低下により、骨の石炭化が上手く進まず、カルシウムとリン酸の 代謝に変化を来します7。
多くのHPP患者さんは、骨が弱い、柔らかい、またはもろくなっているだけでなく、 HPP関連のくる病様症状や弯曲した脚などの骨格の変形も認められます1,2,3,7。 こうした異常は、子どもの発育を妨げるほか、日常生活における動作を伴う能力も 低下させる可能性があります8,9。
乳児や幼児の患者さんでは、呼吸不全など、呼吸補助装置を必要とする重度の呼吸器の
合併症や早期死亡に繋がるような重度なHPPの症状が認められる場合があります1,9。
小児の重度HPP患者を対象とした後ろ向き自然歴観察試験では、生後6ヵ月以内に
HPPを発症した乳児において死亡率が高く、5歳時の死亡率は73%でした9。
HPPの症状 3-7
- アルカリホスファターゼ(ALP)
活性の低下 - 骨石灰化への支障
- 筋力低下
- 乳児の生命を脅かすくる病による胸の変形に起因する呼吸不全
- 骨折および骨格異常
- 骨・関節・筋肉痛
- 発達の遅れ/運動障害