乳幼児期に診断されることが一般的な神経線維腫症I型(NF1)は、皮膚や身体の内部の神経に沿ってできる良性の腫瘍ですが、稀に悪性の腫瘍に進行する場合があります。NF1の患者さんでは、出生時に叢状神経線維腫(PN)の発現が認められる方もいらっしゃいます。年齢が低い患者さんでは、腫瘍の増加の速度が速く、生後10年間で最も急速に腫瘍が増加するとの報告があります3,6。
乳幼児期に認められる徴候は、皮膚の変色や軟組織の異常な増殖です。叢状神経線維腫(PN)は、身体の深い部分に発生することがあり、痛みや他の症状が現れるまで、気がつかないことがあります2。
PNは大型で不規則な形状をすることがあり、神経鞘から周囲の組織層に浸潤する傾向があります。頭部、頚部、胸部、脊椎など外科手術が難しい部位にみられることも多くあります。加えてPNでは血管が過剰に形成される傾向があり、このことが術中の出血リスクと輸血の必要性を高めます2。
この疾病管理は複雑であり、身体症状や、小児患者とその両親または介護者に影響する問題の管理には、多職種によるアプローチを必要とします2,7。
PNに起こり得る合併症 3,5,8-1
- 整容性の問題
- 運動機能障害
- 痛み
- 気道の障害
- 視力障害
- 膀胱や腸の機能障害