視神経脊髄炎スペクトラム障害
(NMOSD)

 

視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)は、脳や脊髄、視神経などの中枢神経の疾患です。中枢神経系の神経細胞はアストロサイトという細胞に支えられています。アストロサイトにはアクアポリン4(AQP4)というタンパク質が存在しています。抗アクアポリン4抗体(抗AQP4抗体)という自己抗体がアストロサイトを攻撃することが、NMOSDの原因の1つです。

NMOSDの平均発症年齢は40歳前後で、患者さんの約9割が女性です1。2012年の調査によると、日本国内で4,000人強の患者さんがいて、有病率は10万人あたり3.42人と推計されています2

NMOSDでは、眼や全身のさまざまな症状がみられますが、症状の種類や程度は人によって異なります。眼の症状としては、視野が欠ける、視力が低下するなど、全身症状としては、手足のしびれや痛み、両脚の脱力、ふらつき、止まらないしゃっくり、排せつ障害などが挙げられます。

予測できない発作を繰り返す(再発)ことが特徴で、深刻な場合には1 回の発作で後遺症として失明や運動障害が起こり、車椅子が必要になる場合もあります。発症後、未治療のままでいると再発を繰り返すことがあるため、診断後の治療は主に再発予防が中心となります。

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参考文献:

  1. 多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017 監修 日本神経学会

  2. 難病情報センターホームページ2020年1月現在