カヌマ®について
カヌマ®は、ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症
(Lysosomal Acid Lipase Deficiency: LAL-D)
患者さんの治療薬として承認されている革新的な
酵素補充療法です1。
カヌマ®は日本、米国や欧州連合(EU)において
承認を取得しています。
カヌマ®は、初めて承認されたLAL-D患者さんのための治療薬で、 静脈注射により投与します。
カヌマの安全性と有効性は、二本の臨床試験と一本の非盲検 長期継続試験においてカヌマ®を投与された(乳児および小児、 成人を含む)LAL-D患者さん75名のデータに基づいています1。 多施設共同非盲検単群臨床試験に参加した、カヌマ®の投与を受けた LAL-D乳児患者さん(生後6ヵ月以内に病状が急速に進行が認められた) 9例のうち、67%(9名中6名)が12ヵ月以上生存したのに対し、 未治療の乳児患者さんのヒストリカルコホート研究における生存率は 0%(21名中0名)で、8ヵ月以内に全ての患者さんの死亡が確認 されました1。
4歳~58歳の小児および成人のLAL-D患者さん66名を対象とした 多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、カヌマ®を投与 された群では、プラセボを投与された対照群と比較して、 アラニンアミノトランスフェラーゼ値およびMRIで測定した肝臓の脂肪量が ベースラインから大幅に低下することが認められました。これらの所見の意義と LAL-Dにおける肝疾患の進行との関連性は、確立されていません。更に、 カヌマ®治療群では、プラセボ投与群と比較して、LDL-c、トリグリセリドおよび HDL-cなどの脂質パラメータにおいて顕著な改善が認められました1。
無作為化プラセボ対照試験に参加した患者さん66名中65名(98%)が、 非盲検期間に移行し、カヌマ®の投与を受けました。非盲検長期継続試験期間中、 最大36週間にわたりカヌマ治療を受けた患者さんは、LDL-cおよびHDL-c値 を含む脂質パラメータ、ALT値において改善が認められました。なお、心血管疾患の 罹患率および死亡率に対するカヌマ®の効果は、まだ確立されていません1。
生後6ヵ月以内に急速に病状が進行する疾患の患者さんに最も多くみられる 副作用(>30%)は、下痢、嘔吐、発熱、鼻炎、貧血、咳、鼻咽頭炎、蕁麻疹です。 小児および成人の患者さんに最もみられる副作用(8%以上)は、頭痛、発熱、 口腔咽頭痛、鼻咽頭炎、無力症、便秘、吐き気です1。